ぶるぶる文庫

学んで纏めて知ったかぶって

雨大国日本と、そこに棲むのんきな妖怪の仲間たち

日本は雨の国です。これほど雨に恵まれている国もそうありません。住んでいる私達にはなかなか意識できないかもしれませんが、実は日本は世界平均の約二倍の降水量を持つ雨大国なのです。世界各地の山の画像を調べると、ヨーロッパは険しい岩山、中国では水…

実は不吉な木だった桜

“桜の樹の下には屍体が埋まっている” 明治時代の小説家・梶井基次郎の短編小説『櫻の木の下には』の一節です。桜の美しさを理解する為に忌むべきものの存在を信じずにはいられないというこの話は、あり得ないとは解りつつも、ふと納得してしまいそうになる奇…

女は嫉妬で蛇になる

能面の「般若」は誰しもご存知かと思います。嫉妬や恨みに狂い、怨霊と化した女の面です。「般若」とは元々「智慧」を表す言葉で、嫉妬や恨みやましてや怨霊とは何の関係もない言葉でした。それが面の名前になったのは、「般若坊という面打ちの名前から取っ…

うぶめ 消えていった悲しい妖怪

血に塗れた腰巻を纏い、赤子を抱いた女が雨に打たれながら暗い夜道に立っている。女は通りがかった人に赤子を預けると、どこかへ消えてゆく。夜が明けると抱いていたのは赤子ではなく石だった。これが妖怪“うぶめ”です。 うぶめは「産女」とも「姑獲鳥」とも…

人はどうして鬼になる

私の親戚に、お面を集めるのが趣味の叔父がいます。ずいぶん昔、その叔父の家の一室に鬼の能面が飾ってあったのですが、幼い私は鬼に睨まれるのが怖くて部屋に一歩も入ることができませんでした。初めて地獄絵図を見たのもまだ小さい頃だったと思います。人…

いろんな河童

私の住んでいる熊本県八代市は、仁徳天皇の時代に九千匹もの河童が渡来したという伝説が残る町です。河童の伝説は全国各地に数多くあれど、これだけ豪快な伝説が残っている土地は他にありません。八代の河童は日本一であると市民は誰もが誇りに思ってます。…

妖怪はどこから

先日、妖怪好きの友人と「妖怪の何が好きなのか」というテーマで議論する機会がありました。友人は妖怪のビジュアルが好きなのだそう。なるほど、妖怪はいろんな種類がいて、それぞれ特徴的なデザインを持っています。妖怪とデザインというのは密接な関係が…